【後編】『神宝塩』工藤先生コラボ記事「カントン博士に導かれたんだと思うんだよね」

【後編】『神宝塩』工藤先生コラボ記事「カントン博士に導かれたんだと思うんだよね」

 

──前回の記事【中編】『神宝塩』工藤先生コラボ記事「魂の故郷は「橿原神宮」かもしれない」

 

 

工藤さん:そういえばカントン博士の所に行った時も、今考えたら不思議な体験だったなぁ…。

ルネ・カントン(1866-1925)はフランスの生理学者。さまざまな動物の種における恒常性・特に温度および塩分濃度を調べた。また海水が人間の血液と成分が非常によく似ていることに注目して飲用・点滴用に食塩水を使う治療法を考案し、医療現場に於ける生理食塩水の利用の先駆となった。ルネ・カントン-Wikipedia

工藤さん:カントン博士のお墓を探しにフランスに行ったことがあってね。僕にとっては有名な人だけど、亡くなられて100年近く経っているから、フランスの人でさえどこにお墓があるとかほとんど知られてないの。

森岡:そうなんですね。私も神宝塩をお取り扱いするとなって初めてルネ・カントン博士のことを知りましたが、これだけ偉大な人が母国でも忘れられつつあるのは複雑ですね。

 

 

工藤さん:60代、70代の知ってるって人は少なからず居たけどね。でもお墓や住んでいた家を知っているって人は見つからずに探せなかったんだ。100年近く経ってるからね。多分ここだっていう村を教えてもらったけど、どこの家に住んでたとかまでは知ってるわけないじゃん。

横手:とても有名な方だったとしても、たまたま出会う人が住んでいた家やお墓を知っているかと言われると難しいですよね。

工藤さん:でもね、ここだろうという村に行って、さあどうしようかと考えていたら、ストリートにある小さい、ほんの小さい看板に、「Rue René Quinton/ルネ・カントン通り」って書いてあったんだよ。

太陽:おおー!それがあるだけでだいぶ核心に近づいている感じがしますね!

工藤さん:でもね、そういう名前がついていても、みんな知らないって言うんだ。僕らもやっと見つけたんだけどね。でも名前が付いているから、絶対ここら辺なんだよなって。

京子:何人かで探されていたんですか?

工藤さん:フランス人の旦那さんと、日本人の奥さんの夫婦が居てね。あと子供が二人。フランスでルネ・カントンの家を探すから、車で連れていってくれる人いないかなぁってFacebookで発信したらさ、4、5人から連絡が来たんだよ。その中に日本人の方が居て、フランス人で料理人の旦那が運転してくれるから、案内しますよって。

京子:フランスの料理人!素敵~!なんだか別世界の人のように感じますね。

工藤さん:しかもその人、フランスで一番有名な料理人の所で働いてる弟子だったらしくてさ。3号店がパリじゃなくてニューヨークで出来た時に、その二人はそこで出会って結婚したみたい。そんな夫婦が案内しますって手を挙げてくれたんだよね。

くみさん:アラン・デュカスじゃなかったでしたっけ?

太陽:調べたらWikipedia出てきました!案内してくれる方も凄そうだ・・・。

工藤さん:行き当たりばったりだったけどね~笑。これなら行けそうだぞって。

 

 

横手:偶然でそういうことにはならないと思うので、絶対見えない存在に導かれてますね。

工藤さん:本当、ありがたいことだよね。で、フランスで初めましてして、案内してくれるご家族と僕の5人でお昼ご飯食べて。僕は運転しないからさ、ビール何か飲んじゃったりして笑。またそこのレストランがビールを作っていてこれがまた…

くみさん:話の本筋から脱線してますよ~!

工藤さん:へへへ笑。どこまで言ったんだっけ。ああ、それで出発して、フランスの古い街並みのかわいいお家が集まっている所に寄ったりして情報を集めて、それでルネ・カントン通りのある村に辿りつく訳なんだけどね。どこにもそれっぽい建物もお墓も無いし、そもそも人がいないんだよな。探しても探しても見つからない。案内してくれてる家族の人達の時間もあるし、子供たちも「もうやだー」って感じだったからさ笑

太陽:子供からしたら、謎のおじさんのお墓とお家を、謎のおじさんと探してる訳ですもんね笑

工藤さん:日も暮れて来て暗くなり始めてたからさ。これだけ探してもないんだから、この場所に来れただけでも良し。家とお墓に出会えるのは次の機会かなぁって。じゃあ宿に帰ろうか~って話した時に、夕日が沈んで自分たちは真っ暗に見えるけど、まだ少し空は明るいじゃん?かろうじてその明かりがある時に、ルネ・カントンのお墓を見つけたんだよ!

横手:そんなことが!いや~、やっぱりカントン博士に導かれてますね。

工藤さん:でまあ無事お墓を見つけて、そろそろ帰ろうかってその村を出ようとした時に、本当に誰も居なかったんだけどさ、夕方になったからか、犬の散歩におじいちゃんとおばあちゃんが出て来たんだよ。

太陽:このタイミングで第一村人発見!

工藤さん:ずっと探して本当にその人たちが初めての人だったよ笑。車で隣まで行って、運転してくれてる旦那さんが声かけてくれたんだよ。「ルネ・カントンっていう人の家を探しています」って。そしたらおじいちゃんが「あっちだよ」って言う訳!

森岡:物語性ありますね~笑

工藤さん:その前に、直感でね「ここルネ・カントンの家じゃないかな」ってフランス人の旦那さんが言った所があったんだけど、そこだったんだよ。

京子:すごーい!でもどうして旦那さんはそこって思ったでしょう?

工藤さん:他の家に比べてかなり立派な家だったからさ、ここじゃない?って。カントン博士もお医者さんだったから、村で唯一のお医者さんなら、お家も立派になるんじゃないって。

太陽:なるほど、完全な直感というよりは考察に近かったんですね。

工藤さん:まあでも根拠はないからさ、僕も奥さんも「そうかもね~」って70%くらい否定してたよ笑。で、その家に車でもう一度行ったんだけど留守にしててね。ここらしいけど誰もいないならしょうがないか~って。その時に一緒に居る子供たちが、二人とも男の子なんだけど、何だかワーワー騒いでたの。

横手:おー、エネルギーが有り余ってますね~笑

工藤さん:するとお母さんが、「そんなに元気ならあっちまで走ってきなさい」って言ってね笑。じゃあ子供たちは「ワー!」って走っていったの。車にずっと閉じ込められてたからねぇ。僕も負けじと「ワー!」って走って子供たち追いかけて行ったの笑

太陽:なんで!?

工藤さん:競争してクタクタになって戻ってきて、子供と一緒にそこらへんに寝転んでさ。10分くらい休憩してたのかな?車が一台来たんだよ。で、玄関の前で止まって70歳くらいのおばあちゃんが降りてきてね。もしや、と思って「ルネ・カントンって知ってますか?」って聞いたら、「もちろん知ってるわよ。ルネ・カントンの海水を飲む療法を今でも続けてるわ」って言うんだよ!

 

 

工藤さん:で、どうもこの家は娘さんのらしくて。娘さんは留守にしてた訳なんだけど、「この人はルネ・カントンを知りたくて日本からやって来た人なんです」って紹介してくれてね。そしたらそのおばあちゃんが娘さんに電話してくれてね。わざわざ日本から来てるぞって。そしたらこっちに来てくれることになったの。

横手:すべてのタイミングが噛み合ってたんですね。

工藤さん:10分くらい外で話してたんだけど、大体どういう人かってのがそこでわかってくれたみたいで、家の中に招待してくれたの。で、また家の中で色々話していたら、その娘さんはシャンパンの醸造家だったの。

太陽:女性で醸造家ってあんまりイメージないですね。

工藤さん:そうだね、実際少ないとは思うよ。で、今度は料理人の夫婦とシャンパンとワインの話で盛り上がっちゃってさ笑。その縁で仲良くなって、お店にその娘さんのシャンパン卸すようになったんだって。

京子:素敵~!本当ご縁ですよね。

工藤さん:まあそれはいいんだけどね笑。この場所、今話しているのがリビングなんだけど、立派な暖炉があって、ここがカントン博士が生命論を研究するきっかけとなった場所だって気が付いたんだよ。

太陽:暖炉が生命論を研究するきっかけ・・・?

工藤さん:カントン博士が冬眠しているヘビを見つけて、それをダンボールに入れて暖炉の横に置いたんだ。そうすると暖かいからどんどんヘビが活性化して生命が発現したんだよ。そこで、「なぜこういう温度で活性化が起きるんだ?」「そもそもダーウィンの進化論ってどこまで正しいんだ?」って。そこからルネ・カントンという人は科学者になったんだ。元々はたしか小説家とかだったかな?

森岡:え、元々小説家だったんですね、初めて知りました。

工藤さん:そうそう。元々お父さんがお医者さんだから、医者を目指すように言われていたんだけど、ルネ・カントンは有名な作家になろうとして、でも結果としてそれが生命論を研究することになって、多くの人を救うことに繋がっていくわけなんだよねぇ。

横手:その原点に色々なことが奇跡的に噛み合って辿りつけた訳ですから、きっとカントン博士が工藤先生を導いたんでしょうね。素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。では今日はそろそろ終わりにしましょうか。

工藤さん:あら!?もうこんな時間なの?まだ2時間くらいしか経ってないと思ったよ笑。

横手:6時間経ってますよ先生笑。本当に面白くてあっという間でした。是非またこうやってお話する場を設けたいですね。工藤先生、今後ともよろしくお願いいたします!

工藤さん:こちらこそ!今日は素敵な時間をありがとうございました。また45億年同窓会やりましょう!

 

ブログに戻る